当団体の設立まもない1992年頃、ネパールでは燃料の87%を薪に頼っており、かつて国土の45%程あった森林が25%にまで減少し、森林は年間1%の割合で消滅していると言われていました。その状況を少しでも食い止めたいという思から、植林活動に着手しました。
植林は開始当初、木を植える習慣のない人々の動機付けとして、村の人々が欲しいと考える果樹と家畜の飼料木、森林用木をセットにして配布するようにしました。20年で100万本以上が植林され、緑化が進みました。その後も植林の活動は継続しており、2023年現在には森林回復の活動から次のステップとなる森林管理活動へのシフトも検討するほどになっています。
カブレパランチョク郡パンチカールにあるラブグリーンネパールのフィールド事務所には苗床が設置されています。ベテランの管理者がここで樹木の苗を育て、各村に苗木を運んで植林します。苗木は活動対象地だけでなく、希望を寄せられた他の地域への販売も行っています。
「木を伐らない」ために、バイオガス装置を希望する各家に設置しました。飼育している牛の糞を活用してガスを発生させ、家庭で使用する燃料として調理に利用します。装置の設置により、これまで大量に消費していた薪を半分にまで抑えることができます。同時にトイレも設置して、トイレがなかった家庭に衛生面での注意喚起も行いました。これら活動は、特に薪集めと調理を担う女性に喜ばれています。